Release Notes
2023 シーズン 1 ビルドのリリースノートを和訳、一部加筆して紹介します。
記事に誤字・間違いなど見つけたら教えてくださいね。
長くなるので 5本の記事に分けました。
2023s1 リリースノート:
- 2023s1 リリースノート – ハイライト
- 2023s1 リリースノート – Simulation<<<イマココ
- 2023s1 リリースノート – iRacing UI
- 2023s1 リリースノート – Cars
- 2023s1 リリースノート – Tracks
SIMULATION:
Active Reset
- 新機能 Active Reset が登場!
- オフラインセッションで Active Reset 機能を使うと、キーを押して車両状態のセーブポイントをひとつ設定して開始地点(Start Point)とし、そのあと別のポイントでキーを押して終了地点(End Point)に設定したら、また別のキーを押すことでセーブポイントを読み込んで戻れる(Run)ようになります。
- セーブポイントが読み込まれると、シミュレータはセーブポイントに保存されていた、燃料搭載量、速度、エンジン回転数、車の位置、ホイール回転、タイヤ摩耗、ダメージ状態、ハイブリッドシステムの状態などの車両状態を復元します。ただし、以前の車のステータスを読み込んでも時間はいつも通り流れ続けているので、シミュレーション世界のステータスはセーブポイントからは戻されません。つまりコース路面温度、天候、気温はそのまま維持され、テレメトリは線形経路で継続されます。
- Active Reset では、コントローラへの入力をセーブポイントでのコントローラ状態に自動的にブレンドしてスムーズに移行します。
- Run が実行されると、Start Point と End Point の間が新しいカスタムセクターとして作成されます。カスタムセクターの開始及び終了地点に白いチェッカーボードパターンのラインがコースを横切って表示されます。
- Active Reset では、デルタバーではカスタムセクターのパフォーマンスを反映します。これは新しいカスタムセクターが初めて設定されたときに新しいデルタボックスと共に有効化されます。
- 新しいカスタムセクターのデルタボックスは、UI で All-Time/Session Best のサイクル表示の中に追加されます。カスタムセクターの機能はこれまでのものと同様、Current, Last, Best がリストされます。
- Active Reset に関してデフォルトのキー割り当てはありません。Options メニューの Controls タブを使ってお好みで割り当ててください。
- 「Active Reset Save Start Point」を押して Active Reset を開始すると、まず自動的にカスタムセクターの開始終了地点が設定されます。「Custom Sector Mark Start Point」「Custom Sector Mark End Point」を押して、カスタムセクターの開始終了地点を設定(上書き変更)します。
- Active Reset 開始地点と、カスタムセクターの開始地点及び終了地点の 3つのポイントを設定したら、4番目に「Run」を押してこれら 3地点の初めに戻り、繰り返し練習することができます!
- 補足情報:
- 「Run」ボタンを長押しすると、セーブポイントを読み込んで、ボタンを離すまでシミュレータが一時停止状態となります。その間にコントローラ入力などをスタート位置に向けて準備できます。
- 「Run」ボタンでセーブポイントがロードされると、Current Lap が示すラップデータは無効になります。
- Active Reset でセーブした内容はガレージ画面を開くとクリアされます。
- カスタムセクターチェックポイントのラインはカスタムセクターのデフォルトの Best Mode のときだけ表示されます。また、一度に表示されるのは次に通るチェックポイントひとつだけです。そしてリプレイでは表示されません。
- セーブポイントと Run の実行の間には 1.5 秒の空白時間があります。
- カスタムセクター長の最小値は 4 メートル。
- Active Reset を開始して自動的に設定されるカスタムセクター開始地点は、Active Reset Start Point から 2 メートル前に設定されます。発進するまでは計測開始されないので、スタート練習にも最適です!
Physics
- 壁走りに関連したフィジクスを改良しました。
- どんな車でどんな速度でどれくらいの時間でも、壁に沿って擦りながら走行する行為は、より現実的にドライバーにとって不利に働くでしょう。
Tire Model
- タイヤ交換なしにドライバー交代を行った場合や、セッション遷移または乗降車時にもあったタイヤ状態の保存・復元処理に関するいくつかのバグを修正しました。このバグによってタイヤデグラデーションが大きくなったり、タイヤ状態が不適切に変化してしまうことがありました。
Tracks
- 以下のコース・レイアウトに Start Zone を追加しました:
- The Bullring – Oval
- Concord Speedway
- Five Flags Speedway
- Hickory Motor Speedway
- iRacing Superspeedway
- Irwindale Speedway – Outer
- Langley Speedway
- Lanier National Speedway – Asphalt
- Lucas Oil Raceway (IRP) – Oval
- The Milwaukee Mile
- Nashville Fairgrounds Speedway – Oval
- New Smyrna Speedway
- North Wilkesboro Speedway
- Oxford Plains Speedway
- Rockingham Speedway – Oval
- South Boston Speedway
- Southern National Motorsports Park
- Stafford Motor Speedway – Full Course
- Thompson Speedway Motorsports Park
- Twin Ring Motegi – Oval
- USA International Speedway – Asphalt
- [Legacy] Kentucky Speedway – Oval
- [Legacy] Michigan International Speedway – 2009
- [Legacy] Phoenix Raceway – 2008 – Oval
- [Legacy] Pocono Raceway – 2009 – Oval
- [Legacy] Texas Motor Speedway – 2009 – Oval
- 以下のコース・レイアウトで最大グリッド数を 60 に拡大しました:
- Atlanta Motor Speedway – Oval – 2008
- Auto Club Speedway – Oval
- Bristol Motor Speedway – Dual Pit Roads
- Bristol Motor Speedway – Single Pit Road
- Chicagoland Speedway
- Darlington Raceway
- Daytona International Speedway – Oval – 2008
- Dover Motor Speedway
- Homestead Miami Speedway – Oval
- Iowa Speedway – Oval
- Kansas Speedway – Oval
- Las Vegas Motor Speedway – Oval
- Lucas Oil Raceway (IRP) – Oval
- Martinsville Speedway
- Michigan International Speedway
- New Hampshire Motor Speedway – Oval
- North Wilkesboro Speedway
- Richmond Raceway
- Rockingham Speedway – Oval
- Talladega Superspeedway
- Texas Motor Speedway – Oval
- Twin Ring Motegi – Oval
- World Wide Technology Raceway (Gateway) – Oval
- [Legacy] Kentucky Speedway – Oval
- [Legacy] Phoenix Raceway – 2008 – Oval
- [Legacy] Texas Motor Speedway – 2009 – Oval
Track Surface Model
- ダイナミックトラックシステムの新しいパラメータ Track Polish が有効化されました!
- Track Polish は車が走行してゆっくりとコース表面のアスファルトが研磨されて滑らかになっていくプロセスです。これは何千ものタイヤが通過するレーシングラインに沿って、数か月・数年に渡って起こるものであり、ひとつのレースにおいて発生する変化ではないため、コースに対して定数として焼き付けられます。タイヤのコンディショニングや天候条件によっては、Track Polish がレースに影響を与えることもあります。
- Track Polish は以下のようなレースに作用する方法で実装されました:
- レーシングラインやその近くでレースするとき、グリップは以前とほぼ変わらないはずです。低速コーナーよりも高速コーナーの方が、またブレーキングゾーンでは、より Polish され、ドライコンディションにおいてはグリップレベルは増加しますが、レーシングラインから外れた Polish が低い地点ではグリップレベルは低下します。
- Track Polish にはコースの老朽化やラバーの蓄積などの要因は含まれません。Track Polish は他の路面属性からは独立しています。
- Track Polish は現時点ではロードコースでのみ有効です。
Soft Surface Model
- 柔らかい表面の物理的属性や、タイヤがそれらとどのように相互作用するのかをアップデートしました。
- コース外の柔らかい路面がより現実的になりました。芝、ダート、グラベル、砂が柔らかくなり、タイヤが路面に少し沈むようになりました。これらの路面はすべて以前のバージョンより自然にバンピーになっています。
- Rallycross、Dirt Oval 、Dirt Road のレースサーフェスはすでにトラックサーフェス属性を持っているため、これらの変更によって影響を受けません。
Pit Stop
- チームメンバー及びスポッターと観客には、インターフェースでピットの制限速度が常に表示されるとは限らない問題がありましたが修正しました。
Hybrid Systems
- スロットルを踏むのが早かったときのハイブリッドシステムのデプロイロジックを調整してパフォーマンスを改善しました。
Team Racing
- タイヤを 1セットしか使っていない車で、レース開始後にセッションに入ったチームメイトにドライバー交代すると、ドライバー交代中に余計なタイヤセットが消費されることがある問題を修正しました。
AI Racing
- AI ドライバーが以下の車両でレーストレーニングを満了しました:
- BMW M Hybrid V8
- Ford Mustang FR500S
- Legends Ford ’34 Coupe
- Legends Ford ’34 Coupe – Rookie
- Lotus 79
- NASCAR Classic Buick LeSabre – 1987
- NASCAR Classic Chevrolet Monte Carlo – 1987
- NASCAR Classic Ford Thunderbird – 1987
- Toyota GR86
- AI ドライバーが以下のコース・レイアウトでのレーストレーニングを満了しました:
- Atlanta Motor Speedway – Legends Oval – 2008
- Autódromo José Carlos Pace – Moto
- Barber Motorsports Park – Short A
- Brands Hatch Circuit – Indy
- Charlotte Motor Speedway – 2018 – Legends Oval
- Circuit de Nevers Magny-Cours
- Donington Park Racing Circuit – National
- Iowa Speedway – Infield Legends
- Las Vegas Motor Speedway – Legends Oval
- Nürburgring Nordschleife – Industriefahrten
- Road America – Bend
- Snetterton Circuit – 200 and 300
- Sonoma Raceway – Cup, Cup Historic, IndyCar 2008-2011, IndyCar 2012-2018, and IndyCar pre-2008
- Texas Motor Speedway – Oval and Legends Oval
- [Legacy] Charlotte Motor Speedway – 2008 – Legends Oval
- [Legacy] Kentucky Motor Speedway – 2011 – Legends
- [Legacy] Texas Motor Speedway – 2009 – Legends Oval
- AI ドライバーが以下の教養課程を修了しました:
- 義務教育ビデオシリーズ: 前走車にぶつけないための回避策
- 最適なレーシングラインの分厚い本
- スキッドでのステアリングレッスン – コースとライフ
- ディスレクシア AI のための LEFT & RIGHT
- Speed % Up = Error % Up
- トラックスピードが必要とするリアルタイム予知能力
- 給油マンのオーバー/アンダー ルール
- 若年層 AI のためのコミュニティトレーニングプログラム – ゼロで割らないエラーのない走り
- 地質学 213 [レーストラック路面総計と研磨]
- ナンバー震わせ エンジン空ぶかし ホイールスピン
- AI プロトタイププログラム: #00FF00 RACECAR
- 見習いシェフの コールドタイヤの温め方
- グリッド、スタート、ペース、コーションのすべて – AI が聞けなかったこと
- 仕事道具特集: ステアリングホイール
- 7つのカンフースタイル防衛ドライビング
- AI ドライバーが以下の車両で追加トレーニングを修了しました:
- Dallara P217
- Global Mazda MX-5 Cup
- The GT3 Class Cars
- SCCA Spec Racer Ford
- AI ドライバーが以下のコース・レイアウトで追加トレーニングを修了しました:
- Autodromo Nazionale Monza – Grand Prix
- Barber Motorsports Park – Full Course
- Daytona International Speedway – Oval
- iRacing Superspeedway
- Langley Speedway
- Lanier National Speedway – Asphalt
- New Hampshire Motor Speedway
- Talladega Superspeedway
- AI システムでいくつかのバグ修正を行いました:
- AI ドライバーが単走予選セッションで正しいピットを使うようになりました。
- AI ドライバーが旧ダメージモデル車両を使用していたとき、接触のインシデントが適切に付いていないことがありました。
New Damage Model
- 摩擦エネルギーの計算とパラメータをアップデートしました。
- ダートタイヤがでこぼこした路面でメッシュを引きずらないアルゴリズムをアップデートしました。
- 粒子エフェクトでエネルギーがどのように消費されるのかをアップデートしてより一貫性のあるものになりました。
- 一部の車両で誤ったセットアップでシミュレーション世界に入ることのあった問題を修正しました。
- あるべきよりもかなり大きな衝突エネルギーが生成されることのあった問題を修正しました。
- サスペンション及びスプリングでいくつか不規則なフォースが発生することがあったのを修正しました。
Graphics
- SpeedTree でセルフシャドウを追加し、最新バージョンにアップグレードしました。
- 特定のシェーダー設定において、一部のフェンステクスチャが透過なしで描画される可能性があった問題を修正しました。
- ブレーキのグロー状態が前セッションからキャリーオーバーしていた問題を修正しました。
- グラフィックオプションで一部のツールチップを修正しました。
Visual Effects
- 粒子エフェクトの照明について改良しました。
- PopcornFX システムをバージョンアップしました。
Custom Paint Schemes
- アクリルクリアコートをシミュレーションする新しいテクスチャレイヤーを全ての車両に追加しました。
- この新テクスチャレイヤーを使って、既存のペイントの上に下層のマテリアルとは別の反射品質を持つクリアシェルを乗せることができます。これは下層の自動車ペイントをクリアコートで覆った塗装を再現します。
- 既存のカスタムペイントにこれを追加するには、既存スペックマップでこれまで未使用だった青チャネルを使って、緑チャネルでの粗さで光沢やくすみを決めるのと同様の方法で指定します。光沢は明度のスペクトル全体でチャネル内のピクセルカラー値によって決定されます。
- カラー値は以下のようになります:
- 0 ~ 15 RGB (黒) = クリアコートなし
- 16 RGB (ほぼ黒) = 100% の反射性, 光沢のある
- 255 RGB (white) = 0% の反射性, 光沢なし
- 既存のカスタムペイントには、このチャネルを 255 RGB のカラー値とすることで完全に光沢のあるアクリルクリアコートが追加されます。以前のカスタムペイントの見た目を維持するには、このチャネルにカラー値 0 RGB を設定する必要があります。
- シーズンビルドと共に、全てのカスタムペイントテンプレートを青チャネルが 0 RGB に設定してアップデートしました。
Audio
- LFE にハーモニクスを追加して特定の小型シェーカーでフィーリングを得られるようにしました。
- 一部の新ダメージモデルの衝突時などのクラッシュサウンドを改良しました。
- 車から降りているのに LFE や TrueForce の効果が誤って再生されてしまう可能性があった問題を修正しました。
Spotter
- Ari Cejas – スペイン語スポッターパックがアップデートされました。
- Ari Cejasさん、ありがとう!
Controls
- F9 ブラックボックスでの Up/Down のスピンコントロールに対するキーのリピート入力を他のブラックボックスと同様にアップデートしました。
- マウスボタンを繰り返しクリックしなくても長押しで値を増減できるようになりました。ブラックボックスの「選択コントロールをインクリメント」ボタンの動きは変更されません。それはキーボードの繰り返し動作に依存します。結論としてボタンに割り当ててもブラックボックスではリピート入力は得られません。
- ステアリングやスロットルコントロールをジョイスティックからマウスに切り替えると Options 画面に誤った入力が表示される可能性があるバグを修正しました。
Force Feedback (FFB)
- シムをより安全にするためにいくつかの調整を行いました。
- バンプストップの最小値を 0.5度 から 10度 に変更しました。
- クラッシュで信号を抑制するフォースリミッターを無効化できる機能を削除しました。
- FFB 信号の反転したデバイスをお使いの場合はリセットされ、FFB 信号を反転する app.ini ファイルの設定を削除しました。
- 今回のアップデートの前に FFB 信号を反転させていたユーザーには警告が表示されます。警告が表示されたら、直ちにカスタマーサポートへ連絡して、理由を突き止めることが必要です。
このセットを持っていると、次に乗るときにステアリングホイールが制御不能になる可能性があるので、修正するまでシミュレーターを使用できません。
- 今回のアップデートの前に FFB 信号を反転させていたユーザーには警告が表示されます。警告が表示されたら、直ちにカスタマーサポートへ連絡して、理由を突き止めることが必要です。
- FFB 信号にリミッターとダンパーが追加されました。ステアリングホイールが制御不能になると発動し、F メーターの上端にピンクのバーが表示されます。バーの長さは信号に適用されたカットとダンパーのパーセント表示です。また、テレメトリ変数「SteeringWheelLimiter」で参照・監視することもできます。
- この安全機構は通常の走行においは有効化されません。
- フォースフィードバック信号に新しいローパスフィルターが追加されました。
- デフォルトでは、ダウンサンプリングしてステアリングホイールに送信される前に信号から望まれない高周波ノイズを取り除くよう設定されています。しかし値を大きくすると少しの遅延と引き換えに信号をさらに滑らかにすることができます。これはホイールの振動を止めるために使う設定ではないことに留意してください。実際スムージングを追加した方が振動が発生する可能性が高くなります。値を 0 にすると完全にスムージングをオフして以前の表現に戻すことができます。
- リニアモードがフォースフィードバックのデフォルトになりました。ノンリニアモードは Logitech G29 などのトルクの大きくないステアリングホイールには有益ですが、トルクの大きなステアリングホイールにはリニアモードがよりよく機能します。
- ステアリングホイールのエンドストップにダンパーを追加したので跳ね返りにくくなりました。また、衝突時にエンドストップのフォースをカットしなくなりました。
Accessibility
- 聴覚障がいのあるドライバーのために、オーディオスライダーの範囲を通常以上に拡大できるようになりました。
- アクセシビリティオプションの設定についてサポートが必要な場合はカスタマーサービスにお問合せください。
Sporting Code
- レーススタートの振る舞いについて、短縮スタート、スタートゾーンのローリングスタート、オーバル、ロードコース、といった情報を含んでより明確になりました。
- スタートゾーンとスーパーセッションの新しい解説が追加されました。
2023s1 リリースノート: