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Tag: Rain

Raing

iRacing のウェットコンディションはこうなります、というプレビュー…

Development Update February 2024

エグゼクティブプロデューサーの Greg Hill が最新の開発状況として、来たるビルドで登場する新機能・新コンテンツなどについて伝えてくれました。
シーズン 2 / 3月ビルドには改善や新機能に新コンテンツが多数含まれます。雨とともにランドマーク的なビルドになることでしょう。まとめて紹介します。

iRacing Development Update – February 2024
https://www.iracing.com/iracing-development-update-february-2024/
Midseason Dev Update – February, 2024
https://forums.iracing.com/discussion/56014/midseason-dev-update-february-2024/p1

気象システム Tempest – テンペスト – リリース

  • 気象システム Tempest のリリースにより 2024 シーズン 2 = 3月ビルドで雨が降ります。
  • Tempest はこれまでのゲームにはない新しい手法で雨を降らせます。雨のレースで起こり得る多くの物理的環境的要因と、水がコースとタイヤにどう影響するのかを、自然界と同じようにダイナミックにシミュレーションします。
  • ウェットではアスファルトの状態によって路面状況が変わります。粗い路面では水で覆われる前にまず低いところに浸透します。滑らかな路面はタイヤがグリップせずハイドロプレーニングを起こす原因にもなります。通過する車両の多いレーシングラインは摩耗によって滑らかなのでオフラインでグリップを見つける必要があります。
  • オンラインでのウェットレースの前に、まずはテストセッションや AI とのセッションでの走行をおすすめします。完全に動的に変化する現実世界をベースとした予報から天候を生成したり、静的で変化しない天候や、天候状況をタイムラインで設定することもできます。13週にはこの天候を体験できる Unrank レースも開催されます。
  • 基本的に、Tempest はすべてのシリーズに展開されます。ただし、実際に雨が降るシリーズは限定され、その中でも特定の週のみです。
  • 雨が降る可能性があるシリーズでも、実際に雨が降るかどうかは Tempest の動的な予報システムによって異なり、サーキットの過去の天候記録にも関連付けらています。雨が降りそうな空でも降らなかったり、降りそうになかったのに風が嵐を呼ぶこともあるかもしれません。ただしどのスプリットも同じ天候となります。
  • iRacing スポッター/クルーチーフは天候変化を常に知らせてドライバーをサポートします。友人にスポッターを頼んで気象レーダーや他チームの動向を教えてもらい、適切なタイミングでタイヤ交換を決断することができます。
  • Tempest の最初のリリースでウェットレースに対応する車両: GT3, GTP, LMP2 の 11台 + Ray FF 1600, Toyota GR86, FIA F4。今後のパッチやビルドを通じて拡大されます。ロードカテゴリのすべてのサーキット(Rovalも含む)が、最初のリリースからウェットレースに対応します。
  • グラフィック的には技術面や VFX のアーティストとレンダリングチームと物理エンジニアの連携が必要で、水は単にシェーダーで描かれるのではなく、水たまりや路面から吸い上げられる水にタイヤから飛ばされる水はすべて物理的にシミュレートされます。


新コンテンツ

サーキット

  • Misano World Circuit Marco Simoncelli ミサノ サーキット
  • Algarve International Circuit (Portimao) アルガルヴェ(ポルティマオ)サーキット
  • Millbridge Speedway ミルブリッジ スピードウェイ(0.25マイルダートオーバル)



車両

  • Dallara 324 (スーパー フォーミュラ ライツ, ユーロフォーミュラオープン) クラス C
  • Micro Sprint 小型ルーキーダート車両 (全メンバー無償)
  • SRX cars (アスファルト & ダート) クラス D
  • NASCARシリーズ開始と共に 2024年次アップデートをフォロー
  • NASCARトラックは空力解析を経て6月ビルドで大幅アップデート予定
  • NASCAR Xfinity & トラックのフォードマスタングパッケージに 2024年次アップデートを予定
  • Dallara IR18 の INDYCAR 2024年次アップデートを予定

ドライバーライセンス構造のアップデート

  • ロードライセンスを Open Wheel と Sports Car に分離します。
    ※iRacingの絵では Formula と Sports Car となっていますが実際のところ Openwheel か否か/フェンダー有無 という分かれ方とのこと。
  • はじめはどちらも同じロードレーティングで分離され、レースを経ることでドライバーレーティングとして最適化されます。

参考:

新人 iRacer ガイド機能

  • 新人iRacerの初期体験の向上を目指した新機能でインタラクティブな UI が最初のステップを案内します。
  • 最初はレースカテゴリの選択から始まり、コントローラ設定、最終的には AI ベースのドライビングとレーシングシナリオをガイドします。
  • これを行うには、UI 左下の Settings から「Show New Racer Onboarding」をオンに切り替えます。

iRacing UI オーバーホール

  • Web チームとデザインチームによってシーズン 2 から UI ランチャーのオーバーホールが始まります。
  • 最初の変更は UI ナビゲーションを大きなカテゴリに分割するラッパーの追加で、ライセンスの見栄えが変わります。
  • 現在のモーダルベース UI から、ハブを持ちより階層化された UI へと段階的に移行します。次に同じデザインパターンでシリーズエリアを作り直します。

4 コースが標準コンテンツに

  • Motorsport Arena Oschersleben
  • Snetterton Circuit
  • Circuit de Lédenon
  • Winton Motor Raceway

3D 縁石適用コースの拡大

  • 新サーキットのミサノとアルガルヴェに3D 縁石
  • セブリングとフジにも追加される予定。

将来の新コンテンツ・プロジェクト・etc.

  • Circuito de Navarra ナバラサーキット
  • Sachsenring Circuit ザクセンリンクサーキット
  • Oswego Speedway オズウィーゴスピードウェイ(ダート&アスファルトオーバル)
  • イギリスで 2サーキットをスキャン予定
  • スパのアップデートにも着手予定
  • NASCARとのパートナーシップ強化
    • iRacingのサービス初期からNASCARは素晴らしいパートナーであり多くのNASCARコンテンツがありました。
    • コースを最新に保つために最善を尽くしてきたがさらに改善するためのNASCARリマスタープロジェクトで、成果をiRacingとコンソール向けNASCAR ’25の両方にもたらして相乗効果を得られるようにしていきます。
  • 2024年から2025年にかけて耐久シリーズを大幅に強化する。最適化によって現在の11車種から拡大していくための準備も整っています。
  • スーパーカーのアップデートやオーストラリアでの他のエキサイティングなことにも取り組んでいます。
  • レースカーについて衝撃的な出来事も起こりそうですが驚かすにはまだ早すぎます。
  • 過去のアップデートでも述べていたとおり、シム UI の再構築にも取り組んでいる。
    • この再構築では Noesis UI フレームワークをシムに統合します。キーとなる作業やデータモデルの設計と実装は完了しています。
    • 残る作業はエンジニアリングと同レベルのチャレンジはないものの、20年間使った UI を 1つずつやり直すために多くの労力が必要です。今年後半には、新しい UI を楽しめそう。

  • キャリアモードが順調に進行中。
    • デザインチームは仕様を完成し、バックエンドエンジニアリングチームと連携して、複雑で高度なシステムにサービス提供するためのデータモデルを構築。
    • キャリアモードの実装には 2025年までかかる予想だが、その過程で UI や関連システムでキャリアモードに隣接する領域に、的を絞った改善を段階的に加えていく予定。
  • レインプロジェクトの取り組みによって、煙などの既存のエフェクトも新しいアイデアと現代的なレンダリングテクニックで刷新していく計画です。
  • オーバルリフレッシュのフェーズ2は進行中。リリースが近くなればより多くの情報が共有される予定。

天候システムの開発状況

新しいスクリーンショットがあります。

新しい天候システム Tempest の開発は順調で、10月末にはアルファテストに入ったとのこと。
とはいえ、まだ完成までには作業が残されていて、12月ビルドや 1月末のデイトナといったところで雨が降ることはなさそう。現在のターゲットは 3月ビルドとなっている模様。

Rain feature (Tempest) update
https://forums.iracing.com/discussion/51755/rain-feature-tempest-update/p1

Development Update November 2023

今月公開された Development Update November 2023 (iRJA では iRacing最新の開発状況について – 2023/11 として紹介) の動画版が公開されました。お話されている内容はほぼ前述の記事のとおりですが、新しい映像もあって必見の動画です!


https://www.youtube.com/watch?v=PcHWGSORIrQ

Development Update November 2023

エグゼクティブプロデューサーの Greg Hill が最新の開発状況として、12月の2024シーズン1ビルドで登場する新機能・新コンテンツなどについて伝えてくれているので、まとめて紹介します。

2023/11/19 追記: この最新開発状況について紹介する新しい映像も追加した動画が公開されました。 >>> Video: Development Update – November 2023

なお、iRacingは戦略的にスタッフを拡大、過去20年間 id Tech, Unity, Unreal, Decima, and Glacier などのグラフィックス/レンダリングチームを構築/リードしてきたプリンシパルレベルのレンダリングプログラマーが加わり、今後長期に及ぶグラフィックスエンジンのアップグレードを担うようです。

https://forums.iracing.com/discussion/50588/midseason-dev-update-november-2023
https://www.iracing.com/development-update-november-2023/

Weather/Rain -Tempest system-:

Tempest と呼ばれる高度な天候システムは12月に準備できる保証はまだないものの、リリースは差し迫っている。つまりもうすぐ雨が降ります。

Tempestはゼロから構築したいくつかの相互接続された複雑なシステムで、サーキットやレースカーだけでなくとりまく領域に与える影響と物理的コンポーネントをシミュレートして様々な天候を生成する。レース現場から得られる現実のデータを燃料とし、ダイナミックトラックシステムと組み合わされてシミュレーション/ゲーミングにおいて比類のない体験を作り出します。

濡れたエリアを走ると引っ張られる抵抗を感じます。ハイドロプレーニング現象も発生します。エアロヘビーなレースカーがコースから吸い上げた水を空気中や他の場所に移すことでレーシングラインが急速に渇いていく過程を見ることができます。ラインを探すためには、そこに存在する様々な力学、常に変化する自然、遠くに見える暗雲、気象レーダーをチェックしたり、起こっているすべてから予測する必要があります。iRacingで物理的に正確な体験をすることができます。

Tempestプロジェクトは2020年1月のディスカッションとブレインストーミングで形になり、小規模な研究開発チームで気象システムとデータモデルに重点を置いて最初の技術設計を行った。現在は領域をまたいで数十人規模の開発者チームで進めています。

レインタイヤの構造/モデリングと走行特性から車両ごとに研究開発を行っているので、初期製品としては オープンホイール、プロダクションカー、ツーリングカー Formula 1600, Toyota GR86, Ferrari 296 GT3 などからレインサポートが追加されそうです。

オーディオチームが作成した素晴らしいサウンドクリップを紹介します。

Wiper


Raing Driving


2024シーズン1ハイライト:

シムの最適化とパフォーマンス向上:

コアエンジンの最適化・最新化の取り組みがしばらく継続されます。専任チームが毎日ことにあたっていて、ロード時間の大幅な改善、車種制限増加が最近のリリースにありました。
今シーズンはシャドウカリング、錐台カリング、ミラーレンダリングのパフォーマンス改善にフォーカスしました。
※カリングシステム=映っていないエリアのレンダリングを停止してパフォーマンスを向上させる

プロテストシステム改良:

問題が発生した場合に指導・修正して措置を講じる任務にあたって膨大なレポートを処理するチームに、仕事を遂行するための広範なツールセットを装備させます。
現時点では:

  • コーチング
  • 事後のレース失格によるチャンピオンシップポイントはく奪と最下位フィニッシュ
  • iRacingの様々な部分に対する制限
  • 特定のオフィシャルシリーズのレース/予選に参加する権利
  • すべてのオフィシャルシリーズのレース/予選に参加する権利
  • ホストセッションに参加する権利
  • あらゆる種類のマルチプレーヤーセッションに参加する権利
  • 観戦する権利
  • シム内でのボイス/テキストチャットの使用権利

など。
もちろんこれらシステムを体験する必要がない方がよいことですが、iRacingはフェアプレーとリスペクトの精神に重点を置いた環境を維持することに尽力しています。

Cars:

Audi R8 LMS Evo II GT3

旧型を30日以内に購入していたら全額、31~180日以内に購入していたら半額相当のiRacing Creditが手当される。

なお、同様にGT3の取り組みは新年も継続され、複数の追加/置き換えが予定されている。

Tracks:

発表済みのサーキットコンテンツのリリースが予定されている。

  • 世界最速のクオーターマイルオーバル Slinger Speedway 。8の字レイアウトも含む
  • Mugello
  • Okayama: 無償コースとして最新技術で再構築・再リリース
  • Misano ※言及なくスクリーンショットのみ掲示された

これ以外にもさらに多くの修正・改善・追加が予定されていて、包括的なリストはリリースノートで提供されます。

現在進行中の多くのことから一部を紹介

  • スキャンチームはノースカロライナで SRX の舗装&ダート車両と、いくつかのストリートストックボディをスキャンして戻ったところ。
  • スキャンチームからは Portimao と Navarra のデータがすでにアートチームに渡ってそれぞれ制作過程に入っている。
  • Micro Sprint とそれに適した Millbridge Speedway(既に進行中) 、他にも将来追加されるショートトラックがある。
  • キャリアモードも大幅に前進した。
  • UX&デザインチームはUIの新構造に取り組み中。現在のモーダルベースからより親しみやすくアクセスしやすいデザインへと移行する。
  • オーバルリフレッシュに多くの開発者が日々取り組み、大幅な進歩を遂げている。今後も関連システムを反復しながらしばらく継続するが、12月ビルドではアスファルトオーバルが更新される。天候、時間帯、車両からのエネルギーによって路面グリップレベルの変化はより急速なものになる。レース中に熱くなったり冷えたりするのでトラックコンディションに合わせてセットを調整する準備をしてください。

開発中スクリーンショット:

Global Mazda MX-5 in the rain

Global Mazda MX-5 in the rainGlobal Mazda MX-5 in the rainGlobal Mazda MX-5 in the rain

2024s1: Audi R8 LMS Evo II GT3, Slinger, Okayama, Mugello (, Misano)

Audi R8 LMS Evo II GT3Slinger SpeedwayOkayama TerrainMugello CircuitMugello CircuitMisano

Future Build: Portimao(Algarve), Micro Sprint, Millbridge, SRX car & dirt tire

Autódromo Internacional do Algarve(Portimao)Micro SprintMillbridge SpeedwaySRX CarSRX dirt tire in developmentSRX

Rain WIP

iRacingのチャリティイベントで初披露された開発中の天候変化・雨・路面変化の様子を収めた動画部分を切り出しました。

PREVIEW WIP

チャリティイベントのタイミングに開発中のコンテンツや機能をチラ見せしていた iRacing ですが今年はイベントより一足先に出てきました。

Midseason Dev Update, July 2023
https://forums.iracing.com/discussion/45765/midseason-dev-update-july-2023
July 2023 Development Update
https://www.iracing.com/july-2023-development-update/


サーキット開発リスト

ロードコースの追加・アップデートの開発リストをおさらいすると、アルガルヴェ(PT)、ミサノ(IT)、ムジェロ(IT)、プケコヘ(NZ)、レドゥノン(FR)、ザントフォールト(NL)が伝えられていました。そして今回、新しくナバラ(ES)の名前が登場、複数のサーキットのために再びの訪英予定と、アジアでも新しい地域のサーキットを収録する動きを明らかにしました。
2023/07/29追記: スパ・フランコルシャンのアップデートも計画にあるとのこと。

ショートオーバルではスリンガーとウィンチェスター、そしてカーンカウンティが開発中。

ザントフォールト

既存の古いレイアウトを保持したまま、現在の新しいレイアウトが追加される。

カーンカウンティ

ダートとアスファルトの両方を備えたオーバルコースで、$11.95 で購入すれば両方のレイアウトが手に入ります。新しいショートオーバル車両や複数のダート車両も追加予定がある。

既存コースのアップデート

ブランズハッチ、岡山、オウルトンパークと、古いNASCAR等オーバルも進行中。

3D 縁石プロジェクト

長期的なタイヤモデルとフィジクスエンジンの強化とともに再開した3D縁石プロジェクトは良い進捗をみせており、これがレーシングラインに大きな影響を与えることになるだろう。

レイン(天候システムの一部として)

レーシングラインと言えばレインプロジェクトもここ数週間で大幅に進捗した。
コース表面が磨かれたりラバーがのるシステムは動的なフィジクスベースのステータスやコンディションによってドライビングラインは劇的に影響を受けるようになるだろう。慣れ親しんだコースに対してこれまでとはまったく異なる方法でアプローチする必要がある。現実世界のレーサーが直面している現実の力学に直面することになる。

レインタイヤモデルはコースに大量の水を正確にまき散らして限界まで印象的なグリップを発生するが、ハイドロプレーニングはその限界を超えていく。車をスライドさせてもある程度の許容はあるが、注意深く限界を見極める必要がある。タイヤがスライドして水中を転がるとき、ピックアップしなかったものや変位しなかったものは摩擦エネルギーによって表面から蒸発する可能性がある。
今回は表面をなぞっただけなので、リリースが近づいてよりテクニカルな詳細な説明がなされることを期待してほしい。

オーバルリフレッシュ

以前も言及したとおり、オーバルレースはダートレースでリリースしたのと同様のプロセスを進んでいます。オーバルリフレッシュはテスターや車両ダイナミクスエンジニアにタイヤ開発者、ダイナミックトラック開発者が総動員で互いのモデル評価を行い、改良機会を発見して最終的により現実的で楽しい体験を生み出します。

ロードレースライセンスシステム

劇的に異なる特性を持つ車両や馴染みのない車両でのレース体験や陥る落とし穴を改善することを目指して、近い将来大幅な追加が行われる見込みです。

キャリアモード

比類のないマルチプレーヤー、コンペティション、コミュニティシステムが iRacing 体験のベースとなっていましたが、価値のあるより広範な体験を提供することに取り組んでいます。
iRacing及び現実世界のレーシングを忠実に構築する現実的で魅力的なキャリアモードに期待してください。

強化・拡大したiRacing体制

長期的で広範なアップデートとして。

アートチームの規模は2倍に。テクニカルマネジメントチームもひとつ上のレベルに引き上げてくれる業界のベテランを採用。アニメーションチームも2倍の規模となってシフト操作や感情システムを追加し、GT3 などピットアニメーションも増える。

タイヤ及びフィジクスエンジンチームは 3倍の規模になった。優れたタイヤモデルの将来や、可能な限り本物らしい体験を提供し続けるために必要な進化にフォーカスする。

タイヤの変形モデル、カーカスのねじりやたわみ、コンタクトパッチ、有限要素モデル、フィジクスレート、発熱性と勾配、トレッドプロファイルなど、これらの用語が毎日飛び交うチームは活気に満ちている。適切な時期に、エキスパート達とこれらを記事にしたい。

これらは昨年にシムエンジン本体を大幅に見直してマルチスレッドやタスク処理を最適化したことで実を結んでいる。昨シーズンはロード時間の短縮効果があった。次シーズンでは車が大幅に増加する(フィールドサイズでなく同時使用車種数)ので、これからさらに多くの車を見ることになるだろう。そしてこれもまだまだ表面のことでしかなく、オーディオについて準備中のものを待て。

UI はモダンでデザイナーフレンドリーなフレームワークに置き換えられる。ラスタライズされた現在のUIとは異なり、新UIではベクターベースで高い柔軟性を持つものになる。

購入トランザクションやリザルトや履歴に検索機能などWeb チームは相変わらず多忙。

シム/ゲームデザインディレクターの優秀なベテラン達に現実に世界最高レベルの舞台でレースチームを運営していた開発者で構成されたチームも加わり、iRacingのデザイン機能はこれまで以上に強力になっている。

これまでのiRacingでももっともエキサイティングです。我々は自分たちが行っていることが大好きで、過去15年間連続で3か月ごとのリリースがそれを表せていると願っている。これからの15年も同様に皆さんと一緒に続くことを楽しみにしているよ!

とのことだ。

iRacing development update – 2023/04/19

トニー・ガードナーが開発状況について、今回は特にダートレースのリフレッシュにフォーカスして伝えています。

Development Update – Dirt Racing Refresh
https://www.iracing.com/development-update-dirt-racing-refresh/
https://forums.iracing.com/discussion/40813/development-update-dirt-racing-refresh

前回 2023/02 の開発状況お知らせ記事はこちら


ダートオーバル及び舗装オーバルについて、オーバーホールとは呼ばないリフレッシュを進めている。
ダートオーバルのリフレッシュは 6月ビルドで形になる見込み。

コース

  • 土に含まれる水分量によって土壌の強度差が大きくなるので、水分が多くフレッシュで粘着性のある部分と、乾いて滑りやすい部分とでドライビングの差が大きくなる。
  • ダート路面とタイヤの関係も実際のコースをより再現するようアップデートし、コースの摩耗状況によってもドライビングに大きな差ができるようになる。
  • ダートと水分の変動によるバンプが追加され、滑らかな路面だったり、硬くて凸凹した路面だったり、セッションによって異なる路面ができるようになる。
  • レースごとにコースの水分分布は異なる場合があるし、高い部分は低い部分よりも乾燥している可能性があり、下部は湿っている可能性がある。

車両

  • ダートオーバルのレース車両はタイヤ・フィジクスを調整した。これはストックカー(NASCAR カップカー、トラック、ARCAR Menards インパラ)、さらにオフロードトラック(Pro4, Pro2, Pro2 Lite)も含む。
  • ダートタイヤモデルに摩耗が導入され、車両ごとに個別の調整が行われた。レイトモデルの 75周レースでも 360 スプリントの 30周レースでも、レース長とタイヤに注意を払う必要があります。
  • 一部の車両にサウンドアップデートがある。

新ダメージモデルの有効化

  • Super Late Model
  • Pro Late Model
  • Limited Late Model

新機能

  • ホストセッションではバーチャルミラーを無効化できるようになる。

バグ修正

  • ビジュアルのみでフィジクスには関係しないが周辺にあったコースの隙間を埋めた。
  • 周辺の車両でホイールがぴくぴく動くことがあったのが修正された。
  • 一部のコースでキャッチフェンスに衝突判定が設定されていなかったのが修正された。
  • 一部のコースのおかしなクッションが修正されるようDTIデータを作り直した。
  • などなど

リフレッシュリリースとは別に

  • ダート AI … リリースまでに越えなければならない技術的なハードルが残っているものの作業中。
  • 年内にはダートオーバルとハーフマイル舗装オーバルの両方を備えた Kern County のリリースとともにダートの新コンテンツも登場する。

以前お伝えした()とおりオーバルリフレッシュも進行中

  • ダートリフレッシュが達成したのと同様の目標があり、特にダイナミックトラックとそのマルチグルーブの影響といったオーバルレースを構成するすべてのシステムの徹底的な評価とチューニングを行っている。タイヤとモデルに関しても同様に全般に進捗している。

サービス全体・ロードレーシングでも

  • 雨とともに新天候システムも大幅に進歩年内にリリースしたいと考えている。
  • 開発パイプラインには今週のイタリアツアーでスキャンしているミサノとムジェロを含むエキサイティングなコースが控えている。

Rain – work in progress

エイプリルフールにウソではない情報を投じることのある iRacing が今年は何を伝えてくれるかなと思っていたらウェットレースのシム内スクリーンショットが到着。

次シーズンにも登場するのかそれともまだかかるのか。

天気予報

初めて天気予報画面がチラ見せされました。予選前にちょっと雨が来そうです。

iRacing development update – 2023/02/03

iRacing 社長のトニー・ガードナーが最新の開発状況について伝えています。
https://www.iracing.com/iracing-development-update-february-3-2023/
https://forums.iracing.com/discussion/36647/iracing-development-update-on-a-few-things/p1

以下、日本語で箇条書きでまとめました。


  • アーティスト、プログラマ、スタッフ、マネージャといった人材で開発チームを強化してきた。Project Cars などのタイトルに取り組んでいた元 Slightly Mad Studios のメンバーもいて、その経験と専門知識、アイデアが iRacing にもたらされるであろうことに興奮している。
  • 特にダートレースとオーバルレースについて改善が必要なことは承知していてレビューとリフレッシュを進行している。
    • ダイナミックサーフェス、タイヤ、フィジクス、ダート、水、と複雑だが進歩している。特にタイヤの調整に取り組んでいる。
    • ダートトラックの構造及びサーフェス自体の改善も行っている。
    • 車両ダイナミクスや製造及びテストの担当者が利用できるチューニングツールを準備したりした。
    • とても良い改善があり、3月リリースのチャンスもあるが現実的なターゲットは 6月ビルド。
    • 舗装オーバルについても同様に進める予定ながらダートオーバルほど進捗していない。しかしまだ今年中に改善ビルドをリリースする目標を持っている。
    • ダートオーバルレースの改善はダートロードレースにも適用できる部分があると考えている。
  • ロードレース及びレース全般についてご存じの通りレインコンディションと天候システムという大規模なプロジェクトが進行中。
    • その計画も今年リリースする予定で猛プッシュ中だがしかし何か約束したら怒られてしまう、そんな巨大プロジェクト。
    • もし期待通りに進んでいた場合、それは既にリリースされているはずだった。つまりまだやるべきことがある。
    • タイヤ自体の改良は常に進んでいてあらゆる形式のレースを向上させる。
    • レインコンディションの開発はタイヤと路面にとてつもない量の開発を行うことになった。エンジニア達の技術設計文書ではレインタイヤに関わる開発作業を Tires on a Film of Fluid 「流体塗膜上でのタイヤ」と名付けている。
  • Dave Kaemmer のタイヤに関する論文から技術的な話を少し拝借
    • タイヤモデルは何十ものモデル、属性、データとレシピが一緒に働く集合体。iRacingのタイヤモデルは業界で最も洗練された緻密なモデルだが、これからもより改良していける。ほとんどのサブモデルは素晴らしく機能しているが、皆も感じているようにいくつかのサブモデルはさらに良くすることができるはず。
    • うまくいってる例:
      • 停車時から高速までのフォースのモデル化とたわむタイヤ
      • 構造パラメータから決定されるカーカスの基本的剛性
      • トレッドゴムの特性と温度及び速度変化の動的特性から決定されるスリップカーブ
      • タイヤ表面付近の一過性温度モデルとグリップに与える効果
      • 基本的なゴムの製造方法から得られる緩和弾性率と一定のコンディショニングレベル
      • コース温度特性を含むグリップモデル
    • 改善させたいタイヤサブモデルの例:
      • コンタクトパッチモデル
      • 転がり抵抗
      • トレッドのコンディション変化速度
      • 熱の蓄積とトレッドを通過する温度上昇
      • キャンバーモデル
  • タイヤに関する2022年以降のメジャープロジェクトは、レーシングタイヤに固有の有限要素モデル (FEM) を開発することだった。
    • このモデルの目的は、様々な状況下で正確にタイヤの振る舞いをシミュレートするツールを構築すること。特にコンタクトパッチで起こるモーメントごとのフォースと負荷を解析すること。
    • このツールによって、タイヤモデルが負荷とフォース・モーメントに正確に応答できるよう改善・拡張が行えるはず。
  • サーキットとレースカーの拡充にも注力していて、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアでの拡充を行った最近の取り組みは大変成功して、多くのコースをライセンスしてスキャンして開発した。
    • 広範なリストは開発が何シーズンにも渡ることが予想されるが、以下のプロジェクトが控えている。
      • アルガルベ(PT)
      • アラゴン(ES)
      • ヘレス(ES)
      • ミサノ(IT)
      • プケコヘ(NZ)
      • レドゥノン(FR)
    • 他にもいくつか国際的なサーキットとの契約がある。
  • 古くなったザントフォールトを先週スキャンを行ってそのまま開発ラインに乗せた。
  • 米国ではカリフォルニアでダートオーバルとショートオーバルをデータを取得した。
  • NASCAR との共同プロジェクトではコース別の R&D プロジェクトとアップデートに拡張・展開を続けている。

楽しみですね!

PREVIEW WIP

チャリティイベント NMSS ピーチツリースリーの配信中に開発中のコンテンツや機能がチラ見せされました。まだ本レースイベントは配信中ですが、まずはスクリーンショットで紹介します。
追ってテキストを追記できたらよいなと考えています。>追記しました

Indianapolis updates




追記: IMSは2013-2014年のロードコースを中心とした再舗装などの改修がなされていましたが、iRacingバージョンは2009年9月にリリースされたままでした。2021/7に再スキャンされて開発は続いていましたが、いよいよ完成が近づいているようです。NASCARのインディアナポリス(ロード)開催週をターゲットとしているとのこと<つまり今月末リリース見込み
参考: Indianapolis road course repaved / Special event (2013)
https://www.motorsport.com/indycar/event/indianapolis-road-course-repaved-2/special-event-48660/48660/photos/

Active reset

追記: ローカルテスト走行のみでの実装となるようですが、コース上のある地点からある地点まで、どの走り方がよいのか何回もリトライして比較できるようになります。つまり、ノルドシュライフェでカルッセルを練習したいがために10km以上走らなくてもボタンを押すだけでそこに何度でも繰り返し行けるようになります(まるでRingtrainer(※懐かしいGPL用)ですがプラスアルファがありそうです?)。トレーニング・検証ツールとしての価値が高まりそうです。
ところで個人的には、この機能で A to B ステージが設定できるんじゃん、そこからの発展もあるんじゃない?とか思い至りましたがさて。

Rain



追記: 今年の初めには天候スクリプトや予報システムなどコアなシステムを組み入れたレイン環境でドライブすることができるようになっていたようで、今年はグラフィック面と、特にタイヤなどフィジクス面に取り組んでいるとのこと。
水に対してタイヤトレッドの各チャネルがどのように作用して水を掻き出すのか、水はどのように流れるのか、水は路面やトラックサイドでどう吸収されるのか、異なるレースカーでタイヤはどうなるのか、シミュレートできるモデルを作成し、ユーザー体験としては現実の場所で得られたデータを使って正確に再現したり、好みに設定したイベントを作成できるようになるそう。
まだ予定日として公表することはできないが、全社プロジェクトとしてハードに取り組んでいて、大変ワクワクしているとのこと。まだまだ、時間が掛かりそうですよ。

レイン

開発は順調に進んでいるようですよ。雨が降ったイモラを 2台のフォーミュラ Vee が走行するシーンのスクリーンショットが公開されました。

iRacing 公開質問

チャリティイベントとして行われたシャーロット4時間レースでは、イベント前に「寄付してくれたら質問に答える」と公言されていました。何が飛び出したでしょうか。

Steve Myersへの公開質問

シャーロット4時間配信中にあったSteve Myersへ最初の公開質問はNHRAは 5年以内にiRacingに来るか、2番目の質問はびっくりSuper GTは来ないのか、3番目の質問はインディアナポリスのアップデートについてでした。

質問に出てくるほど世界でもスーパーGTの人気があるんですね。かつてホンダ HSV-010 がサインに至ったとは伝えられていたものの、スキャンしたりデータ入手はチームの協力なしには行えずにそのまま立ち消えとなっていました。


ロードコースも再スキャンしてたんでしたっけ。

Steve Myersへの公開質問(2)

さらに質問がされていましたね。

LMDh のプランは進行中ではある模様。ホストでのマルチプレイセッションへのAI投入は9月ビルド。そしてモナコについて問われると、作り上げるのに相当なコストが掛かるプロジェクトであるものの、ロングビーチを完成させることができるほどに大きくなって進化したチームがあるので、それだけ大きなプロジェクトに対してもよりオープンだぞ、と。

これからも期待したいですね!

Greg Hillへの公開質問

Greg Hill への質問はレインの登場時期についてでした。

グラフィックもフィジクスも年内には動くものが作られそうですが年内にリリースされるかはまだ不透明ですね。流れる水のモデリングは、ドレインというキーワードでダイナミックトラックが拡張されているようです。またグラフィック周りではトーンマッピングやスクリーンスペースリフレクションと呼ばれるキーワードがありました。
グレッグは実際にウェットのイモラでiRacingを起動してみせたり、いくつかウェット関係のスクリーンショットを見せてくれましたよ。

iRacing Rain WIP CLIP
https://www.youtube.com/clip/Ugw6hRzyZ7icTxkVdOx4AaABCQ
※上記動画は非公開とされクリップも参照できなくなりました。

録画して公開された動画がありました。

https://www.youtube.com/watch?v=jWhcYazh8yk

シャーロット4時間配信レースはこちら

4スロット開催のうち 7/31(土)21:00が配信スロットとなり実質メインイベントとなりました。

4 Hours of Charlotte Motor Speedway Benefiting National Multiple Sclerosis Society
https://www.youtube.com/watch?v=5wISD8TtenQ
https://www.youtube.com/watch?v=5wISD8TtenQ

iRacing Developer Blog


iRacing Developer Blog: S4 Updates to the Dynamic Track Model
https://www.iracing.com/iracing-developer-blog-s4-updates-to-the-dynamic-track-model/

開発者によって技術の内側を紹介するシリーズ、今回はダン・ガリソンによるダイナミックトラックのアップデートの話題がブログとして公開されました。こちらに先だってポッドキャストでその先のレインについても話していたようですけど、そこへ向かう上での技術向上による恩恵、というのも iRacing のいつものヤツですね。このブログ記事を和訳して以下で紹介します。iRacing は技術系の話題も読み物として面白いですよ。

私はダン・ガリソン、シニアソフトウェアエンジニアです。最近、ポッドキャスト iRacing Downshift でダイナミックトラックのアップデートについて話しましたが、良いフィードバックもあったのでここでより詳細を紹介しようと思います。そして、シムがどのように動いているのか、技術的な側面に興味を持っている方と、より楽しくディスカッションを行えたらよいなと思っています!

ダイナミックトラックモデルの初期実装では、レーストラック全体の路面温度をサーバーが保持し、その情報をクライアントに送信することが特徴でした。ある地点から別の地点までの温度は、色んな要素によって変化します。路面のアルベド、太陽に対する路面の向き、太陽高度と日射量の関係、影、雲、そして車からの影響によって、日陰の不活発な場所は涼しく日なたは暖かいし、車のエンジンからの熱が堆積する場所は熱くなるしタイヤもさらに発熱します。これにより、多くの現実に遭遇する要因に対して活発的に反応してレースエンジニアやドライバーが対処すべき幅広い状況を提供するモデルが出来上がりました。

ダイナミックトラックが最初にリリースされたとき、シム内の天候は変化しませんでした。気温や風のパラメータを変更することはできましたが、太陽も雲も動かないし、降り注ぐ太陽エネルギーと、熱対流と熱伝導でのロスが完璧にバランスして生成されたシンプルな温度としてだけ、その地表の平衡温度を計算できたのでした。天候が決定され空は動かず、誰も走行していなければ、周囲の気温変化と概ね一致する小さな変化だけでトラック温度は本質的に変化しません。

しかし、太陽と雲が動き始めると、このモデルの大きな欠点が明らかになりました。
すなわち、サーバーが路面の上層部だけの温度を保持していた点です。その結果、太陽が沈んだり雲が掛かって降り注がれる太陽エネルギーがなくなると、トラック温度が急速に下がっていたのです。路面の下で起こっていることを説明するため、年月日と日時による関数として、変動する熱の損失率が導入されました。しかし事実に似てはいるものの、おかしな動作とならないように冷却率の全体的な変動は比較的小さく抑えられていました。

この問題に対処するため、新しい実装では表面下の複数層の温度を保持することにしました。
路面温度はよりリアルに変動します。新しいモデルでは、数時間の日照から下層に蓄えられた熱が表面を温めます。同様に、車の走行による発熱はラップを重ねるほどにより長く持続するようになります。前のモデルと比較して、一般的に午前や午後でも早い時刻ではより低く、午後遅くではより高い気温になります。しかし一般的に多層アプローチはほとんどの状況においてよりゆっくりと変化することから、路面温度をある程度安定させます。

違う場面で新しいモデルを説明しましょう。古いモデルでは反映できなかった現実の記録が可能になります。午後遅くにモンスーンが吹いて短く穏やかなシャワーがありそうな熱い日を考えてみてください。古いモデルでは、トラック温度が急速に下がり、そして水がなくなったあとも低いままです。
新しいモデルでは、空が依然として雲に覆われていても、予め下層に蓄えられていた熱がゆっくりと表面に戻り、失った温度を幾分戻します。実際のところ、このシナリオを通じた作業がダイナミックトラックをアップデートする動機となりました。

このアプローチにおいて解決しなければならない問題のひとつに、各層の温度の初期化があります。各層が適切にセットアップされていないと、表面温度は正しい温度に落ち着くまで、非現実的で不規則に変動してしまいます。
これに対処するため、サーバーはトラックで使われる素材ごとに多くのサンプルを作成し、指定された年月日・時刻と素材の熱伝導率及び深度から経験式で推定して、各サンプル地点の温度を追跡します。さらに一歩進み、イベント開始数日前の天候をシミュレートして、各サンプルの温度プロファイルを更新します。これにより、セッションが始まれば各層が設定された条件下で適切な温度で適切に振る舞うようになります。

そして時間が進み、定期的にデータポイントを追加していき、続くセッションでも、どの深度でも適切な温度となります。天候と変化は既にモデル化しているので、イベントの午前中にプラクティス2時間と午後に予選、翌日にレースとなる場合も、温度モデルがそれに対処します。セッションが始まって地面の一部で初期温度セットが必要となったとき、その素材と現在時刻からデータを探して、地表の向きによって保存されたサンプル間を補完します。

これにより、動く空によって明らかになった前モデルの2番目の欠点に対処できます。
前のセッションが終了してから時間が経っていたときには、サーバーはセッション開始時に温度計算のために太陽エネルギーの量を調べますが、太陽が雲に隠れているとき、どれだけ長くどれだけの頻度で雲に隠れていたのか推測せず、セッションに至るまでの条件はシミュレートしませんでした。そのため、この場合にはまるで一日中雲に覆われていたかのように、トラックは現実離れした低い温度で開始してしまっていました。
新しいモデルでは、それまで太陽がほとんど出ていたのなら、それを踏まえてトラックはまだ冷えず温かいままになります。

新しいモデルはまた、水と温度の相互作用について大幅に改善しています。蒸発による温度下降が以前より正確に計算されます。
例えばオクラホマのずっと日陰になるダートトラックでは通常、蒸発によって熱が失われて周囲の気温よりも低いトラック温度となります。もちろん、蒸発速度は路面温度と気温、湿度、風、表面の自由水供給量によって変わります。湿度が高く風のない肌寒い日には、トラック温度が気温に近くなると予想されますが、乾燥して風のある暑い日には、気温とトラック温度には数度の温度差があると予想されます。ダイナミックトラックのアップグレードは、改善された蒸発モデルによる自然な結果としてこの動きを提供します。

トラックモデルに対するこれらの変更は、シムの雨の予測からインスパイアされたものですが、アップデートが全体的に有益なものとなるのは明らかです。路面と地面の間の熱伝導をモデル化することで、さまざまなイベントによるトラック温度変化はそれ以前に起きたことの影響を受けます。そのため表面温度は、基本的に下層に保存されている履歴に応じて比較的持続的に変動する可能性があります。初期化中に天気予報を実行して結果を記録することで、サーバーは時間ギャップの大きなセッション遷移を処理してトラックを適切な状況で開始できるようになるのです。

※雨が来るのはまだまだ先です

この記事についてのディスカッションはメンバーフォーラムのこちらで。
https://members.iracing.com/jforum/posts/list/3657875.page

May 2019 content update

iRacing 社長 TG がいつものように新しいコンテンツやアップデートについて投稿。
https://members.iracing.com/jforum/posts/list/3648601.page

以下で紹介します。

ショートコースオフロードトラック

  • cars: Pro 2, Pro 4 (購入1台分で2台利用可)
  • tracks: Wild West, Wild Horse
  • 今週末プレビュー動画

ダートオーバル

  • ショートコースオフロードトラックの開発によって改善した、ダートの粒子モデルが他のダートレース形式にも反映される。
  • 現在開発中のFairbury Speedwayにその恩恵が。6月ビルドには間に合わないが9月またはそれまでにリリースできると考えており、スクリーンショットと動画で近々紹介する。
  • Lernerville Speedway の開発にも着手した。Fairbury Speedwayに続くトラックとなる。

ダート

  • 初めてのラリークロス専用トラックに取り組んでいるが、6月ビルドには来ない。

NASCARオーバル

  • NASCARカップカーのFord Mustangと2019年式Silveradoが6月ビルドに登場。
  • NASCAR Modifiedマシンも6月ビルドで新しくなる。
    2018年Whelen Modified Tourチャンピオン、Justin Bonsignoreのマシンをスキャン。フィジクスのアップデートも含まれる。単純に現行マシンを置き換えるため、既に古いModifiedを所有していた方は無償で新しいModifiedを入手できる。現在と同様、基本的に同じボディでエンジンの異なる SK と Tour の 2つのバージョンをワンパッケージで提供(1台購入すれば両方使える)、2019 NASCAR Igniteシリーズはこの車を使用します(レギュラーシーズンはLegends使用)。
  • 開発アップデートとはしたくないが、NASCARに関するちょっとしたニュースとしてグリーンホワイトチェッカーの導入がある。
  • 2019 Xfinity車両1台が開発を終え、いつものライセンスやデータといった時間のかかる周辺作業を待っている状態。
  • 将来のこういったプロセスをもっと簡単にするためにパートナー達とよい話し合いができている。

ロード

  • Audi RS3 LMS TCRマシンの完成が近づいているが、6月ビルドには間に合わない。
  • Silverstoneのアップデートを6月ビルドに間に合わせたいがスケジュールはタイト。
    ※7月のF1英国GP前に再舗装されるのでiRacingでのリリーススケジュールもディレイするそう。
  • Barcelonaは2019年内リリースを目標に鋭意開発進行中。

その他

  • 他にも開発中のマシン・コースが複数あるがあまりオープンにはしない。
  • AI、ダメージモデル、サウンドエンジン、タイヤモデル、雨など多くの新機能や改善は良い進捗をしている。

Feature Update

iRacing 社長 Tony Gardner からの開発状況についての情報提供、昨日はコンテンツでしたが今日は機能面についてお知らせ。

http://members.iracing.com/jforum/posts/list/3613497.page

以下で和訳してご紹介。

ダメージ

先日ブログと動画を公開しました。ダメージモデルはやるかやらないかしかない。良い進捗を見ているが、またやるべきことが残っているし、その後で80以上の車種と何百ものサーキットの組み合わせで膨大なテストを経て調整を繰り返すことになるから、2018年中にこれがリリースされることはない。

AI

AI及び関連するUIはとても良い進捗状況です。一度限りのレースも、シーズン全体の構築機能(ドライバー名簿を読み込む機能を含みます)も、そのどちらもスタートさせるつもりだが、まだAI自体にもUIにもやるべきことが残っています。シムエキスポでは試すことができるよう計画中。ロールアウト予定日はまだ決められないが、年単位ではなく月単位ではあるだろう。初期リリースで車種を限定するかどうかはまだ分かりません。

時間変化 – Day to Night

グラフィックエンジニアは今プロジェクトのホームストレートにおり、ダイナミックトラック用の雲の影についてちょうど完成させたところ。これはグラフィック面の最後のチャレンジのひとつと言える。現在は天候ジェネレータから天気をフックする機能の作業を始めたところだが、彼らはまだ雲と空の品質向上をもう一段階やりたいらしい。エンジニア達はまだ12月をターゲットとしているようだが、そろそろタイトになってきた。

HDR (High Dynamic Rendering)

概ね終了して、現在は Day to Night のロールアウトに向かっている(空はHDRであるべき)。

新しいサウンドエンジン(XAudio)

最近はこれについてあまり話していないが、開発はハードに進んでいたので12月ビルドに来ることが確実。

タイヤモデル V7

残念ながら 9月ビルドにいは間に合わなかった。いくつか問題が見つかったのでその修正に掛かっている。参考までに、タイヤのバージョンとは別に複数のタイヤコンパウンドが使えるように開発中です。

Beta UI

品質/スピードの大きな改善が9月ビルドでロールアウト予定。デザインとユーザビリティも向上します。9月ビルドには間に合いませんが、重要な機能追加とデザインの改善が控えています。

2018年の可能性はない。現在行われている主な作業は、水たまりができたり乾いたりする、ダイナミックサーフェスの側面。Time of Dayプロジェクトが終われば、ここにリソースを割ける。

グラフィック/アニメーション

複数のプロジェクトが進行中。ビルドごとに新しい何かがロールアウトするので注目してください。例えば最新ビルドでは影やスキッドマーク、パーティクルの改善がありました。

オーバル・ダート路面

9月ビルドで良い改善を見れるだろう。
グリップは少し良くなる。使われて乾燥していくと急速にグリップが低下していくので水分がある路面を選んで走ることがこれまで以上に重要になるでしょう。トラックの状況変化のスピードが早くなる。問題点も修正されてとても楽しいビルドになるだろう。

その他

数十万ドルの新機器を含む新しいデータセンターを構築中、秋稼働見込み。