Season Spotlight – GT3 Updates
アップデートの詳細について、開発チームからのメモ内容を和訳して紹介します。
Season Spotlight | GT3 Updates
https://forums.iracing.com/discussion/19164/season-spotlight-gt3-updates/p1
https://www.youtube.com/watch?v=L9LwtHC603k
2022 シーズン 2 での GT3 のアップデートは大掛かりなのでここで詳細を確認してください。このアップデートはパフォーマンスを上げるためのセットアップ アプローチや運転方法を変えることになるでしょう。
Setup “Notes”:
各車両ごとに、iRacing セットアップ Notes タブに以下のことが書かれているので読んでください。
- オフィシャルシリーズのシーズン 2 開催コースごとの推奨ダウンフォーストリム
- HDF セット(ウィング +6度) でのターゲットとすべき車高
- ウィング角を小さくするときにどれだけレーキ角を減らすべきか
とはいえ、iRacing セットアップで使われているスプリング・車高の維持を推奨します - アンチロールバー、ディファレンシャルプレート及びプリロードのクイックリファレンス
- 空力学的なストールを認識する方法
空力学的なストール:
キーとなる車両特性である空力学的なストールについて、これはいったい何なのでしょうか。
簡単に言うと、空力面が不利な条件で効果を失いはじめて全体的なダウンフォース損失につながるとき。状況によって、時間をかけてゆっくりと発生したり、非常に急激に発生したりします。車がストール状態にならないように車高に気を払うことが重要です。
ストールの主な原因はフロント車高が低すぎることです。これが起きるとアンダーボディの効果が大幅に小さくなり急速にダウンフォースが減少します。これは比較的軽い不安定さに気づきやすく、極端な場合、完全な損失に繋がる可能性があります。
幸い、その解決策はシンプルで、フロントのスプリングレートを上げればよいです。これは動的なフロント車高が高くなり、アンダーボディがストール領域とならないようにします。
同じことがリアにも当てはまります。リアスプリングが柔らかすぎたり、静的な車高が低すぎると、ディフューザーがストールする可能性が生じます。繰り返しになりますが、結果はフロントと同様比較的軽い不安定さと、極端な場合には車の制御を失うことがあります。
加えて、アグレッシブなレーキ角で走行すると、高いリア車高でストール特性が現れることがあります。この場合、ハードブレーキ中やターンイン時点といったブレーキングゾーンで車が不安定になるのを感じられるでしょう。ここでの解決策は、静止時のリア車高を下げてリアスプリングを硬くし、高速コーナーでのリア車高を維持することです。
エアロダイナミクス:
モデリングの忠実度とともに高速時のパフォーマンスも向上します。全体的に良いバランスを保ち、エアロマップのストール領域での操作を回避すれば、予期せず飛び出すことが減って高速コーナーでのパフォーマンスをより感じられるでしょう。
新しいモデルは以前よりもロールとピッチの変化に敏感なため、ほとんどの車で以前よりもスプリングやロールバーが硬くセッティングされていることに気づくでしょう。変更する場合は硬くするより柔らかくする方を推奨します。これによって柔らかいスプリングから硬くしていく作業とは対照的に、最大パフォーマンスへじわじわと詰めていくことができます。柔らかいスプリングがラップの大部分をストール領域とするのは難しいことが分かると思います。
ウィングの調整感度と範囲を完全にバランスさせました。ウィングは最もドラッグの小さな -2度から最大ダウンフォースとなる +6度まで 1度刻みの設定となりました。これでほとんどのコースで以前よりも大きなウィング角で走行することが魅力的に見えるでしょう。
シャシー/スプリング/アンチロールバー/ディファレンシャル:
全ての車で利用できるスプリング及びアンチロールバーのオプションを再評価しました。ほとんどの車で、利用できるスプリングレートが変更され、アップデートされたエアロダイナミクスの処理に必要な剛性アップがあります。高速コーナーがほとんどなく負荷の低いコース用に柔らかいスプリングレートも残っていますが、スパなどの負荷の高いコースで柔らかいスプリングを使うと、フロアのストールが発生して、パフォーマンスが低下します。
さらに、ディファレンシャルのチューニングとしてクラッチプレートが加わりました。このプレートのオプションは現在は4枚か6枚かに限定されています。6枚が標準、4枚がオプションです。より平坦でより滑らかなコースではプレート 4枚でロックを減らすことが有益です。他方でバルセロナで見られるような低速なヘアピンなど粗いコースでは、トラクションを維持するために一部の車では 6枚プレートが不可欠です。
タイヤ:
新しいエアロダイナミクスに合わせて、タイヤグリップが若干減らされました。高速でのパフォーマンス向上と中速でのパフォーマンスの微小な変化が見られるはずですが、タイトなシケインやヘアピンといった低速コーナーではグリップが少し減りました。これらの領域では全体的なフィーリングは悪化しませんが、低速コーナーでのスピードとトラクションコントロールやより正確なスロットルコントロールが必要になりました。全体的なタイヤ寿命は同程度ですが、温度によってタイヤがどのように硬化していくかは大きな変化があります。実際のところ、摩耗の意味ではこれまでどおりダブルスティントをマネジメントできますが、硬化による2スティント目のパフォーマンストレードオフは大きくなります。タイヤのパフォーマンスは残りトレッド量によるのでなく、それ以上にコンパウンドの硬化状態に依存することが多いことに留意しておくことが重要です。
燃料とBOP:
燃料消費と燃料タンク容量を再評価しました。IMSA 仕様のサイズに変更し、それに応じて燃料消費量を調整しました。
実際にはこれは小さな変更です。主な違いはスタート時に搭載する燃料が少なくなり、消費率がより現実に近くなることです。
すべての車で空のタンクに満タン給油するまでの時間は40秒です。
これがこのアップデートの範囲であり、各車のマイナーなBOP変更に関する詳細は提供しないことを選択しました。
これは大きなBOP変更がなかったことを示すものではありませんが、この新しいBOPが今後のベースラインとなると考える必要があります。
最後に、マウントパノラマやニュルブルクリンク ノルドシュライフェなどアップダウンで標高変化が多く、連続コーナーを駆け抜けるコースで、新しい sprint セットアップで走ってみてください。