iRacing.comでのドライバーの格付け
iRacingでは、登録ドライバーはレースカテゴリごとに、Safety Ratingと呼ばれるドライバー採点システムによってレーティングされます。これはどれだけ安全にセッションを走行しているかの値です。
※レースカテゴリ: iRacingはロードレースとオーバルレースの 2つのカテゴリで始まりましたが、2018年シーズン1 からはロード/オーバル/ダートロード/ダートオーバルの 4カテゴリとなり、2024年シーズン2 からはロードカテゴリがフォーミュラ(オープンホイール)とスポーツカーに分割されて全 5カテゴリとなりました。
また、各ドライバーに対してはライセンスクラスの認定も行われます。このライセンスクラスは下から、Rookie、Class D、Class C、Class B、Class Aとなっており、登録してiRacingを始めたドライバーはまずRookieクラスから始め、Dライセンスへの昇格を目指すことになります。
レースのカテゴリごとに計算されるSafety Ratingを上げていけば、それぞれのカテゴリでライセンスクラスを昇格することができます。
Safety Ratingやライセンスクラスは、開催されるレースシリーズの出場要件にもなります。例えば、Safety Ratingが3.00以上ないと、Advanced Rookieシリーズには出場できません。
※2021シーズン 1 以降、トラックタイプによって使用されるレーティングカテゴリーが決定されるようになりました
例えば、アスファルトオーバルトラックを主に使用するシリーズでいくつかのアスファルトロードトラックを使うとき、アスファルトロードレーティングに基づいて調整されます。
このとき、シリーズに参加するためのライセンス要件はアスファルトオーバルライセンスであることに変更はありません。
Incident
iRacingオフィシャルシリーズの予選、レース、タイムトライアルセッションでは、コースオフや接触事故を起こすと、以下のようにインシデントポイントが加点されます。
インシデント種類 | ポイント |
---|---|
他のドライバーとの軽い接触 | 0x |
ホイールが舗装路からはずれてはみ出した | 1x |
コントロールを失った(スピン等) | 2x |
他のドライバーとの接触 | 4x ダートトラックでは 2x(2017s3 wk6より) |
また、セッションごとにインシデントに重み付けがされます。
セッション | 重み付け |
---|---|
単独プラクティス | 0.35 |
オープンプラクティス | 0.50 |
単独予選(オーバル式) | 0.35 |
オープン予選(ロード式) | 0.50 |
タイムトライアル | 0.35 |
レース前ウォームアップ | 0.50 |
レース・ヒート | 1.00 |
つまり、レース中のスピンで記録されるインシデントは2x, レースでの重み付けが1.00なので、インシデントの計算値として加算されるのは 2.00 となりますが、タイムトライアルでのスピンは重み付けが 0.35 なのでインシデントの計算値は 0.70 となり、セッションが違えば同じミスでも溜まるインシデントポイントには差が生じることになります。
※オフィシャル/アンオフィシャルレースについては下の「レースがオフィシャル扱いとなるための条件」の項を参照してください。
Safety Rating
Safety Ratingは、iRacing.comメンバーWebサイトにログインしたら、右上に表示されています(ROOKIE 2.82 と表示されていれば ライセンスクラスはROOKIE、Safety Ratingが2.82です)。
この値は最初 2.50 から始まり、走行内容によってこの値の表示は 0.00 から 5.00 の範囲で変動します。コースをはずれたり、マシンコントロールを失ってスピンしたり、接触したりしてインシデントが計上されると、Safety Ratingが下がるかもしれません。
実際のところ、走行した各セッションでのインシデントによって Safety Rating は変動します。インシデントなしにセッションを走り終えれば、Safety Ratingは上がります。ただし、そのセッションの走行内容だけでなく、過去の走行内容も含めてある程度の距離を走った中でのインシデント数合計によって計算されるため、同じような走行結果であってもそのときの上下幅には変動があります。また、前述のとおり、どのセッションを走行したのかによって値の変動幅に重み付けがされているため、例えばタイムトライアルセッションよりもレースセッションの方が、Safety Ratingにより大きく影響します。
より高レベルのライセンスクラスに昇格するには最低でも3.00が必要で、そのライセンスを保持するためには最低2.00が要求されます。
※Safety Rating の整数値が増減したときには、追加で 0.4 が加算されるようになっています。これは、Safety Rating が 3.0 を境に変動を続けるような場合、ライセンスクラスの昇格と降格およびシリーズへの参加資格の変更が繰り返されるようなユーザーのストレスを軽減するために行われます。例えば、2.98 から 3.01 へ上がる場合には 3.41 に調整されます。
クラスが変わった場合、Safety Ratingはそのクラスごとの係数で再計算され、例えばライセンス昇格時には Safety Rating はおよそ 1.0 減ります。RookieライセンスでSafety Rating 4.70を達成してClass Dライセンスに昇格したら、Class DライセンスのSafety Ratingとしては3.70になったりします。これはクラスに合わせて再計算されただけで、ドライバーのSafety Ratingが下げられたわけではありません。ちなみに、Class DライセンスのSafety Rating 3.70というのはけっこう高い値です。
Safety Ratingについてはこちらの記事もどうぞ。
ライセンスクラス
ドライバーライセンスは、通常はシーズン終了後にSafety Ratingによってライセンス昇格(Promotion)または降格(Demotion)が行われます。
MPR(Minimum Participation Requirements = 最低出走数)を満たしていれば、Safety Ratingが3.0以上ならライセンスクラスを昇格できます。現在では、シーズン中でもSafety Ratingが4.0を上回ったら昇格となるFast Trackという制度も加わりました。このときも、MPRを満たしていること、という条件は同じです。
クラス A ライセンスからPro以上のライセンスへは、この仕組みでの昇格は行われません。Proライセンスはランキング上位のメンバーだけに与えられます。
逆にシーズン終了時にSafety Ratingが 2.00を下回っていたら、ライセンスクラスを降格させられてしまいます。ただしシーズン中でもSafety Ratingが1.0を下回ったら、降格させられます(Safety Ratingを回復させればFast Track等で再び昇格できます)。
Rookieとクラス Dではライセンス降格は発生しません。Proライセンスからクラス Aへのライセンス降格も行われます。
なお、ライセンスごとに色分けがなされていて、 ヘルメットにはその色のストライプテープが貼り付けられます。レースマシンや
クラス | 色 |
---|---|
Rookie | 赤 |
Class D | オレンジ |
Class C | 黄 |
Class B | 緑 |
Class A | 青 |
Pro | 黒 |
MPR(Minimum Participation Requirements)
ライセンスクラスを昇格するための条件として、MPRとして最低出走回数が以下のように規程されています。
※参考: MPRのカウント方法(2015シーズン4ビルド リリースノート)
Rookie
シーズン中にオフィシャルタイムトライアル 4戦、またはオフィシャルレース 2戦
Class D以上
現在の自分のライセンスクラスに相当するシリーズで、シーズン中にオフィシャルタイムトライアル 4戦、またはオフィシャルレース 4戦
レースがオフィシャル扱いとなるための条件
レースでは定められた最低出走台数を満たしていないと、そのレースはアンオフィシャルとしてMPRには計算されません。また、オフィシャルレースでスタートを切って、最低でも 1周してシリーズポイントを獲得することが必要です。
レースでは、クラスごとに定められた最低出走台数が揃っていないと、アンオフィシャルとなります。基本的なシリーズでは、オフィシャルレースとなるための最低出走台数と許されている最大出走台数は、Sporting Codeで以下のように定められていました(レースシリーズごとに異なる内容に設定されることがあります)。※レース長についての記述は削除されました。
ライセンスクラス | 必要ドライバー数 | 最大ドライバー数 |
---|---|---|
Rookie | 6 | 12 |
Class D | 8 | 16 |
Class C | 8 | 20 |
Class B | 8 | 30 |
Class A | 8 | 30 |
Pro | 12 | 32 |
※マルチクラスの場合、必要ドライバー数は全クラス合わせて10名とされているようです。
※シリーズごとに設定された最新のオフィシャルレース出走台数についてはメンバーサイトに掲載されるスケジュールPDFに記載されるのでそちらを参照してください。
2023/02/15更新: 現在の Sporting Code 2022.12.06 – 6.3 FIELD SIZE では、最低ドライバー数はガイドとして 6名、ただしルールではなくコミュニティからのフィードバックを含む様々な要因に基づいて調整される、とされていました。上記の通りスケジュールPDFでシリーズごとに掲載されている (Min Drivers/Max Drivers) のでそちらで確認できることには違いはありません。
タイムトライアルセッションをオフィシャルとするには、定められた周回数をこなして平均タイムを記録することが必要です。
iRatingとttRating
iRatingとは、よいレースをして上位でゴールすれば上がり、逆に内容がよくなかったり下位に終われば下がるかもしれない、レースするたびに変化するドライバーのスキルを示す、システム的に算出した値です(算出方法の詳細はSporting Codeに)。
各走行セッションに登録したドライバーが多すぎて、最大出走台数を超えていた場合には、できるだけスキルが近く接近したレースとなるよう、各ドライバーのiRatingを基準としてセッションがスプリットされます。また、各走行セッション内では、マシンのゼッケンはiRating順に割り当てられます。
ttRating(Time Trial Rating)とは、タイムアタックセッションでの連続したインシデントなしの周回数(たとえばラグナセカなら4周=メンバーサイトのサーキットページに記載あり)をもとに計算されるスキル値です。スピン、コースオフ、バリアとの接触といったインシデントがあればそのラップは計測されません。タイムアタックセッションでラップを重ねるごとに、該当コース・マシンのレコードタイムとの差から計算される値セッションレーティングがベースとなります。最新の4回のタイムアタックセッションが計算対象であり、車種ごとの差を考慮して、正規化した値が付与される。また、最近タイムアタックした8トラック分でトラックレーティングが計算され、ttRatingの計算に影響します(8つに満たない場合は平準値を与えられるので、8トラックでタイムアタックして初めて正しい値になる)。
各ドライバーは自分のiRatingとttRatingをiRacing.comメンバーWebサイト上で確認できますが、RookieからClass Dライセンスに昇格するまでは見ることができません。
iRatingとttRatingの詳細はFIRST Sporting Codeに掲載されています。
※Time Trial でぶっちぎりのトップタイムを記録したのに ttRating が下がってしまうケースも発生しています。ttRating の正確な計算方法は公開されていませんが、シーズンビルドによってラップタイムが上がったり下がったりする状況なのに過去も含めた World Record も作用しているためで、現在ではもはや適切なレーティング増減が処理されているとは言えません。
縮小しているので分かりにくくて申し訳ないですが、下図のヘルメット近辺に表示された「ROOKIE 3.56」はRookieクラスでSafety Ratingが3.56であるということを示しています(ロードレースについて。オーバルレースについてはRookieクラスでSafety Ratingは3.61を示している)。右上の小さな表示と右下の大きな表示の両方に表示部はあるのですが、RookieライセンスではttRating(Time Trial)とiRatingは表示されません。
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