3) フラットスポットはいつモデル化されますか
ロックアップ挙動の 95% は既にモデル化されています。残りの 5% は TO-DO リストにはありますが、それは誰もが待ち望んでいる雨の後です。
4) トラック上でゴムの硬化はどれくらい起きるのですか
カーカス温度が 130℃ を超えない限り、そんなに多くありません。これは高速オーバルレースに限定されますが、そこでもそれはグリップ減少に繋がるひとつの現象でしかありません。
5) タイヤがオーバーヒートによって壊れる詳細を教えてください
それはある種急速に空気が抜けて収縮するような感じで、現在のタイヤが壊れるのと同様、空気圧がゼロになっていきます。あまりに長い間、ある温度を超えていたことに基づいて発生し、主には非常に低いタイヤ空気圧で走行することの否定的側面に合理性をもたせます。でも故障するまでだって、あまりに低い空気圧での走行は多くの場面で最速とはなりません。また、現時点では、臨界速度に近づいているときや臨界速度を超えたときのの挙動は、単純化されたモデルではちょっと普通でないところもあるかもしれません。そこは認識しているところであり、対処しようとしています。
6) ラボでのリバースエンジニアリングがどれくらい信用できるのか
これらによって値に対してあり得る範囲を得ることができます。コンパウンドのカーボンブラック配合量についてとても良いアイデアを得られています。ポリマーと油分の定量化はまだ精度が低いです。ラボテストも考えを改めさせられることがあってとても有益です。もうひとつのダブルチェックはトレッドの反発硬さ、ショアA を試験することです。温度と読み取るまでの時間(1秒、3秒、それとも10秒?)とトレッドの厚みにも依存しているので注意が必要です。我々のトラックジオメトリがかなり正確なので、テレメトリデータもグリップの決定に役に立ちますが、エアロフォースを正確に知っておく必要があります。
7)全車種同時に新タイヤにしないのですか
V7モデルへの移行は新しいタイヤメーカーがレースシリーズに参戦するようなものです。マシンはしばしばタイヤに合わせて開発されます。現実世界でもシムでも、タイヤ構造やゴムコンパウンドの変更はマシンのハンドリングを大きく変更しかねません。だから多くのテストとセットアップ作業が必要になるのです。最初はできるだけマシンを限定して、フィードバックを得る方が良いです。もしモデルに変更が必要だったときに全車両のセットアップを台無しにしないで済みますからね。V7コードはダートで適切に動くようさらなる作業が必要です。おそらくダートはしばらくV6で行くでしょう。長期的に見ればそれが良いと思っています。ダートは、舗装路では最大の問題のひとつである限界を超えて逸脱してしまうのを覆い隠してしまいます。
8) …let’sじゃなくてlets
うぁぁ、恥ずかしい。修正しました! (レスで指摘してくれた)Todd ありがとう! もうやらないぜ…
9)タイヤメーカーのモデルとどう違う? タイヤメーカーはあなたがしていることに興味を持っていないか
本当のところその答えは知らないですが、推測はできます。大規模なタイヤメーカーはシムレーシング開発者とはゴールがかなり異なっています。第一に、彼らはリアルタイムに駆動するモデルは必要としていません。したがって彼らは有限要素解析(FEM解析)を幅広く使うことができます。我々とってはそれは映画業界のレイトレーシンググラフィックのようなものです。いつかそこに行くこともあるかもしれませんが、常により速く描く方法があるでしょう。おそらくタイヤメーカーが気にしているのは、限界で運転することにほとんど関心のない一般の人々にもっとタイヤを売ることでしょう。我々が関心があるのは、限界ドライビングの専門家達にもっと会員になってもらうことです。一般人がタイヤを購入するときに参考にするのは機関が測定した、グリップ評価(ウェット路面で40mphからフルロックで何mで停止できるか)、マイレージ(1ガロンあたりの走行距離、本質的には高速道路での転がり抵抗)、摩耗評価(買い替えまでの走行距離) の 3項目です。そして空き缶を踏んでもタイヤが壊れないことも必要ですし、高速道路であまりうるさくないタイヤが欲しいと思っています。
タイヤ会社が行うFEM解析の多くはこうです(必ずしもそうではないと思いますが)。タイヤのどこでどれだけ発熱するのか。キーポイントでのストレスはどれくらいの長さで、素材はどれくらいその状況と熱に持続できるのか。どのようにしてトレッドから排水できるのか。どうやってトレッドブロックを静かにできるか。Joe Public(バットマンやジャスティス・リーグに登場するヒーローキャラクター)が空気圧をまったく気にせずに高速道路を 5psi のリアタイヤで走行していたらどうやって彼を守るのか。ウェットグリップを向上させて転がり抵抗を低減してタイヤが長くというのをどうやって同時に実現するのか。これらすべてをより安い資材で実現できないか。そしてスーパーボウルで最高にクールなビデオを流せますか。
私達は最初の熱に関するものは気にしていますが、他のことはあまり気にしません。私の推測では、タイヤ会社は彼らの目的についてすでに良い数字を得ていると思います。しかし我々は、我々が目的とする数字は彼らより良いものを得ていると思っています。
10) Nicki Thiimの動画を見たことはありますか
イエス。Nicki の動画はとても楽しい。Jens Voigt のバイクレース実況を聞いているみたいだ。つまり、素晴らしい! そして正直なところ、V5モデルでの限界を超えるときのスリップとグリップについて彼は正しいです。でもそれはそこまで悪くないとも思います。でも彼は「Curb Surfing=縁石サーフィン」(うまい)が好きだとも言っていますね、それは私がとても良いと思っている V6 のカーカス剛性と大いに関係があります。それに彼は iRacing についてグラフィックスやトラックジオメトリのリアリズムを含むすべてを好きだった。まったく彼の言う通りだと思います。
11) 物理モデルのサンプリングレートを教えてください
短く答えればそれは 360 Hz です。しかし我々はフォースをステップあたり 2回計算するので、プレーヤーのタイヤフォースについては少なくとも 4x2x360 = 1秒あたり 2800回です。いずれかのタイヤが縁石など複数の路面に接している場合にはもっと多くなります。我々はIEEE浮動小数点数を使っています。
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