Release Notes

2010シーズン3向けビルドのリリースノートを和訳して掲載します。
長いため分割して掲載します。この記事が最後の3つ目です。

Transmission and Shifting Model

トランスミッションモデルを置き換えて、ドライバーがどのようにギアシフトするかを変更しました。以前はボタンのクリックでギアをはずして他のギアへ簡単に変更できていました。物理的にそのようなギアチェンジができるかどうかに関係なく。

さて、あなたのシフト操作はシムに何をしようとしているのか伝えられているだろうか。そしてシムはあなたがしようとしたことをしているだろうか。シムはもう単純にシフトするだけではなくなりました。シムに伝えるようにシフト操作を考えます。”シフトレバーを押し込もうとしている/引き抜こうとしている。” シフト操作が完了して手を離すまでの少しの間、シフトを掴んで押さえていることもあるでしょう。あまりに早く手を離すと、シムはシフトが完了する前に手を離したと解釈して、ニュートラルのままになるでしょう。Hパターンシフターを使えば、自動的に次のギアでホールドされるので心配いりません。

これは調整に少し時間が必要になりそうです。だからプラクティスやテストで新しいモデルを学習してシフト操作に信頼性が出るまでは、Auto-ClutchやAuto-BlipをOnにすることをためらわないでください。

トランスミッションの負荷が十分に抜けていないと、現在接続しているギアを抜くことはできません。

  • アクセル全開ではもちろんギアはがっちり入ったままです。アップシフトではリフトオフ、クラッチの使用、またはレブリミットに当てて、ギアを抜けるまでにトランスミッションの負荷を十分に下げる必要があります
  • ダウンシフトでは、完全にスロットルオフしてエンジンブレーキが掛かっているとき、特に高い回転数ではギアはそう抜けません。スロットルを少し足すか、クラッチを使ってギアの接続を解除しなければなりません。いくらかスロットルを残してブレーキングしているときには、クラッチを切ってトランスミッション負荷を減らさないかぎり、ギアを抜くには多くのスロットルが必要となるでしょう。

Hパターンシフターでニュートラルにスティックを動かせば、シムに現在のギアから抜けるかどうかが確認されます。スティックを次のギアに入れると、ニュートラルにすることに成功した後で、シムにそのギアへ接続するように伝えるでしょう。

シーケンシャルシフターでは、シフトボタンを押してホールドすることがシフトレバーを次のギアへと押し付けるのと同等となります。シフトチェンジが完了するまでに手を離したら、現在のギアのままか、2つのギアの間でニュートラルとなるでしょう。

シーケンシャルトランスミッションを搭載する車両では、Hパターンシフトでのシフト操作はできなくなりました。Hパターンシフターをシフト操作に設定していたら、シーケンシャルシフト車両でスタートしようとしたときにシーケンシャル操作を設定するように警告します。

エンジン回転数があまりに合っていないときにギアを入れようとすると、ギアは削れて入りません。これは1速に叩き込むレーススタートができなくなることを意味します。高いエンジン回転数で1速のギア歯を掴むのはギアボックスにはダメージを与え、ギアが削れる不快な音が聞こえるでしょう。1速に入れるには、エンジン回転が上がっていないときにクラッチを使います(停車してエンジン回転が落ちたときにはアンチストールクラッチが都合よくクラッチをホールドします)。そしてクラッチを切ったままエンジン回転数を上げておき、クラッチをつないでスタートします。Auto Clutchを使えば、ニュートラルで回転数を上げている間クラッチをホールドするので、1速に入れることでスタートすることもできます。Auto Clutchがクラッチをリリースしますが、わずかな遅延があります。

 

ドッグミッション搭載車では、次のギアは数千からとても広い範囲のエンジン回転数でいつもどおりに入ります。面倒なクラッチや適切なスロットルリフトやブリップなしで、前のギアを抜くことができます。これはドッグミッション車両で左足ブレーキが安定することを意味します。

  • できるだけ速くアップシフトしたい: リフトするまでシフトボタンを押し続けてシフトに負荷をかけておき、できるだけ速いリフト操作を行えば素早いシフトアップが行えます。レブリミットに当ててトランスミッションの負荷を抜くのもリフト操作なしにこの方法を使えます。シーケンシャルシフターを使う場合、ギアチェンジが終わるまでシフトアップボタンを押し続けることを覚えておいてください。いくつかのマシンではギアレバーに圧が掛かったときにスロットルをカットしてギア接続をはずせるようにする機構がビルトインされています。これらのマシンではリフト操作はまったく必要ないので、単にシフトボタンをクリックすればスロットルカットが働きます。しかし急激には離さないようにしてください。シフトレバーを押す圧力が抜けてしまうとシフト操作が完了しません。
  • ダウンシフトもとても速くできます。ブリップするまでシフトボタンを押し続けてシフトノブに負荷をかけておき、スロットルをタップしてエンジン回転数を合わせれば次のギアに入ります。
    多くのマシンでスロットルをタップしてブリップするまではエンジンブレーキトルクが大きくてギアは抜けません。シフトチェンジが完了するまでシフトボタンを押し続けることを覚えておいてください。

 

Solsticeとその他のシンクロメッシュギア搭載マシンは、シンクロ機構がエンジン回転数のミスマッチに対して働きます。シンクロ機構がその働きをしているとき、ギアが削れる音を聞くこともないでしょう。ニュートラルのタイミングはクラッシュボックスタイプのトランスミッションと同じではありません。シンクロボックスではクラッチを使う必要はないのですが、エンジン回転数を合わせようとするシンクロ機構はエンジン出力全体を乗り切るほど強くはありません。だからエンジンを正しい回転数に自分で制御する必要があるのですが。しかしクラッチペダルを使えばシンクロ機構はよりトランスミッションの入力シャフトを合わせやすくなるので、シフト操作をより素早く信用できるものにすることができます。

実際のシンクロメッシュ機構のギアボックスでのシフト時には、スティックを軽く引いて次のギアに入るまでシンクロにエンゲージさせます。残念ながら、あなたが次のギアに入れようとしているということは次のギアに入るまでシムには分からず、シンクロを作動させ始めることしかできません。シーケンシャル操作の場合、シムはギアを上げ下げしようとしていることが分かるので、あなたはギアにエンゲージするまでシフトボタンを押し続けるだけでよいのです。Hパターンの場合は、実際に素早く次のギアを指定するので、シムはギアシンクロへのシフターを押し込み操作のシミュレートを開始できます。

実際の車両ではシフトを入れたところでギアがエンゲージされますが、シフトの要求に対してクラッチが切られる直前までクラッチは繋がったままですから、シフトプロセスのタイミングは実際の車両とは若干異なるように感じられ、シフト操作のタイミングに慣れる必要があるでしょう。
(訳注:HパターンでAuto Clutch ONの場合?)

  • アップシフトはたいていできるだけ速く行いたいものですが、ドッグミッションほど速くありません。シフターへの負荷を抜く前に押し続けておいて、クラッチを切る間スロットルを抜きます。次のギアへエンゲージしたら、スロットルを再び踏んでクラッチを離します。リフトしないでただ次のギアへエンゲージするまでにクラッチを踏むだけという選択肢もありますが、こういったパワーシフティングはクラッチを痛めます。クラッチをまったく使わない手もありますが、次のギアへ入れるにはエンジン回転数が十分に落ちるまでの長い時間スロットルをリフトしなくてはなりません。ギアシフトが完了するまでシフトボタンを押し続けることは覚えておいてください。
  • ダウンシフトも、できるだけ素早く次のギアのシンクロを働かせたいでしょう。右足でブレーキを踏んでいる間、シフトボタンを押し続けておいてからブリップしてシフターに負荷をかけておきます。そして左足でクラッチを踏んで右足でブレーキを一定に保ったままスロットルをブリップします。そうして次のギアを掴んだらクラッチペダルをスムーズに放します。これはヒール&トウダウンシフトと呼ばれ、シムで良いフィーリングを掴むのはマシンやシフトレバーからの物理的なレスポンスを知覚できないのでとても難しいです。ダウンシフトでクラッチを使わずに左足でのブレーキも可能ですが、シンクロには酷な働きが強要されるので十分にブリップしてエンジン回転を合わせないと、ニュートラルにスタックしてしまうこともあります。ギアシフトが完了するまでシフトボタンは押し続けることを覚えておいてください。

シンクロ機構でシフトタイミングを失敗したら(特にクラッチを使わない場合)、シンクロ作動が解消されギアが削れる音が聞こえてギアが入りません。

 

シーケンシャルギアボックスを持つ上位クラスのいくつかのレースカーは、全自動化されたシフト操作ができます。単にシフトボタンを叩けばスロットルも含めて必要な操作がなされてあっという間に次のギアに入ります。

 

現在ラインナップしている各マシンがどのタイプのトランスミッションを搭載しているのかを以下に掲載します。これを見ればどのマシンでどういったスタイルのシフト操作が必要になるかが分かります。

全自動シーケンシャル

  • Dallara
  • Jetta TDI

シーケンシャル ドッグミッション/スロットルカット付き

  • Corvette C6R
  • Ford V8SC
  • Radical SR8
  • Riley DP
  • Star Mazda

シーケンシャル ドッグミッション

  • Legends Ford34C
  • Skip Barber

Hパターン ドッグミッション

  • Impala A
  • Impala B
  • Latemodel
  • Lotus 79
  • Silver Crown
  • Silverado
  • SK Modified

Hパターン シンクロメッシュ

  • Mustang FR500S
  • Solstice
  • Spec Racer Ford

 

ポイント

  • シフト補助機構なしで適応できずもがいているなら、おそれずにAuto ClutchやAuto BlipをOnにすることを検討してください。これまでどんな長い物理的な活動経験も、新しいものを学習するには一旦クリアするのもよい手となるかもしれません。
  • シーケンシャルギアのマシンではHパターンのシフト操作はできません。
  • シーケンシャルシフト操作のボタンはポンと押すだけではなく、押し続けることを覚えておいてください。
  • ブリップやリフト操作とシフトボタン操作のタイミングを練習してください。

 

訳外追記:

  • 現在はクラッチの加熱・磨耗はモデリングされていないのでパワーシフト(シンクロメッシュシフト車やSkip Barberで全開のままアップシフト)してもクラッチを壊すことはありません。
  • デフォルトではオートクラッチがONになっています。
  • このビルドではギアボックスへのダメージモデルはまだ搭載しないことにしたそうです。

※数回に分けて書いたので訳し方が違ってたり誤りもあるかもしれません。ここはこうじゃないか、という点などありましたら教えてください。